ガルバリウム鋼板が最近のトレンドに?

これまで「屋根材」についていくつか触れてまいりました。

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さて、屋根と一言に行っても、見た目も様々材料も様々です。屋根に使われている材料は大きく分けると、

  • 粘土瓦(釉薬、無釉)
  • セメント瓦(プレスセメント瓦、コンクリート瓦)
  • スレート瓦(化粧スレート、天然スレート)
  • 金属系(ガルバリウム鋼板)

ざっくりとこれらの4種類に分けられます。

中でも、最近の住宅業界ではもっともポピュラーとされ、幅広い屋根の形状に対応できる屋根材が【ガルバリウム】です。何故ガルバリウム鋼板が流行っているかと言いますと、錆びない金属の中でガルバリウム鋼板は比較的低価格だからです。

今回は人気ナンバー1のガルバリウム鋼板についてお話していきましょう!

ガルバリウム鋼板とは

そもそもガルバリウム鋼板とは、鉄がベースとなっている合金の板です。鉄合金に金属メッキ加工を施した屋根材です。
メッキは、アルミニウムが55%、亜鉛が43.4%、ケイ素(シリコン)が1.6%という比率でできています。
アルミニウムの特徴である耐食性、耐熱性、熱反射性が付与されています。

ガルバリウム鋼板のメリット

従来のトタン屋根やスレート屋根に比べると、耐久性がありデザインも豊富で、一般の家屋でよく使われるようになっています。
さらに加工性もよく、あらゆる用途に使用されているため、ガルバリウム鋼板を推奨する屋根工事業者が増えているのです。

また、ガルバリウム鋼板は葺き替え(*)の用途を考えた材料です。
(*「葺き替え」とは、今まであった屋根材を剥がして新しい屋根材に張り替えることを言います。)

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スレート屋根、トタン屋根のカバー工法の屋根材として使われています。一般的なトタンと比べると約4倍の防錆性があります。
また日本瓦の約1/6の軽さなので耐震性に優れています。

さらに熱反射率や耐熱性に優れているのはもちろんですが、モダンなイメージでカラーバリエーションも豊富なので、いわゆる”かっこいい屋根材”として認識している人のほうが多いのではないでしょうか。

耐熱性を考慮した特殊な塗料がコーティングされているガルバリウム鋼板なら、断熱性もカバーできています。
メンテナンスは不要とされていますが、メーカー保証は10年~30年となっており、その間の性能がきちんと保証されているのであれば、錆が出る前に再塗装を行い、寿命を延ばすことができます。

最大30年の耐用年数であれば、屋根材の葺き替時期もずっと後になりますので、ガルバリウム鋼板は、それなりに長期的に使える屋根材であることがよくわかります。
また、屋根材の隙間を少なく施工でるため防水性が高く、屋根裏に水分が入り込んでしまう心配がないという点も特徴の1つです。

ここまではメリットをお話してきましたがデメリットについても説明していきます。

ガルバリウム鋼板”3つ”のデメリット

1・薄い&金属なので雨音がうるさい

強めの雨が降ったりすると、パチパチと雨をはじく音が気になる場合もあるでしょう。尚、雨音の問題は、特殊塗料を使用すれば音を完全に無くすことは難しいですが、軽減する事は出来ると思います。

2・やはり断熱効果は薄い

一定の断熱効果があると言われますが、やはり金属自体の性能として厚さが数mmの為、効果はあまり期待出来ない面もあります。※従って屋根(コンパネ)の下に断熱材を入れて断熱するのが一般的です。

3・衝撃に弱い。薄いのでへこむ

ガルバリウムは1mm以下の薄い鋼鈑の上に、亜鉛とアルミニウム、シリコンなどの素材でメッキ施行した材料です。
その為、なんらかの衝撃でメッキが剥がれてしまう場合があります。すると、薄い鋼鈑が表面化してしまい、雨風にさらされることで錆びてしまうことがあります。

安い上に錆びないという、屋根材にはもってこいの材料で現在では一般的に新築物件に多く採用されていますが、上記の点に注意が必要です。

デメリットはあるが機能性は高い。葺き替えならぜひご検討を

結論から言えば、特性によるデメリットは確かにあるものの、それでも非常にお勧めの屋根材であります。長期的にみても、数ある屋根材のなかでも安くメンテンスすることができるため、ガルバリウムにして失敗したという感覚を抱くことはないでしょう!
屋根材に使われている素材を知り、その強度やメンテナンスの必要性も事前に把握しておくことをおすすめします。

住まいのデザイン性だけでなく、コストパフォーマンスの高さも理解した状態で屋根材を選択することで、
長期的な視点で後悔のない住まいづくりを実現することができるでしょう。