「建築年数」と「雨漏り」

雨漏りの発生と住宅の築年数には、少なからず関連性があります。立てたばかりの新築ならば、もちろん雨漏りの発生自体が相対的に少なくなります。

今回は、そんな”築年数”と”雨漏り”の関係性について、実際に雨漏りの相談件数と照らし合わせながらご紹介していきましょう。

「建築年数別」雨漏りの相談が多いランキング

  • ①31~40年・・・28.2%
  • ②21~30年・・・26.3%
  • ③11~20年・・・21.7%
  • ④41~50年・・・12.4%
  • ⑤10年以内・・・5.9%
  • ⑥51~60年・・・4.0%
  • ⑦それ以上・・・1.5%

上記が、築年数に対する雨漏りのご相談件数の割合です。築20年~40年が最も多くなっているのがお分かりいただけると思います。

屋根のメンテナンス時期はおおむね「20年」が目安だとされています(もっとも短い「トタン屋根」だと10年ほど)。メンテナンスを怠っていると屋根材が劣化していき、雨漏りが発生する可能性が高くなります。
ちなみに、もし新築物件を建てて「10年以内」に雨漏りが発生した場合は【※住宅品質確保促進法】により、施工業者や不動産会社に修理費を請求することができます。築10年以内の新築住宅で雨漏りが起きた場合は、施工業者に相談してみてください。

※住宅品質確保促進法(品確法)【じゅうたくひんしつかくほそくしんほう(ひんかくほう)】とは??

良質な住宅を安心して選び、取得後も安心して住めることを目的に、平成12年4月1日から施行された新しい法律です。

【住宅品質確保促進法】は、正式には「住宅と品質確保の促進等に関する法律」といい、「品確法」と略されます。この法律は次の項の”3つの柱”で構成されています。

”住宅品質確保促進法”のおさらい

良質な住宅を安心して選び、取得後も安心して住めることを目的とした「住宅と品質確保の促進等に関する法律」、通称「品確法」によって、住宅を購入する消費者側が感じられるメリットもあります。

とはいえ、この”品確法”は少し難しく聞こえますよね。そこでこの項目では、

  • 住宅品質確保促進法のご説明
  • 購入者が感じられる「メリット」と「デメリット」

について紹介していきます。

住宅品質確保促進法(品確法)の基本と目的

●「新築住宅の瑕疵担保責任の特例」新築住宅において、柱や梁などの基礎部分、屋根、外壁などの構造部分につき、10年間の瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)が義務付けられました。
(瑕疵「かし」とは、法律用語でキズとか欠点とか不具合という意味)

上記の目的・・住宅購入者等の利益の保護

●「住宅性能表示制度」住宅性能表示基準を定め、第三者機関(登録住宅性能評価機関)によって評価を行い、評価書(設計住宅性能評価書・建設住宅性能評価書)を交付します。

上記の目的・・住宅の品質確保の促進

●「住宅専門の紛争処理体制」建設住宅性能評価書を交付された住宅でトラブルが発生した場合には、
裁判をせずに、指定住宅紛争処理機関が迅速かつ円滑に紛争を処理します。

上記の目的・・住宅に係る紛争の迅速かつ適正な解決

さて、以前は瑕疵担保責任を負う期間は2年が通例となっていました。ところが、品確法で新築住宅は10年間の瑕疵担保責任が義務付けられたのです。


つまり、ざっくりいうと「何か住宅に不具合が起きたら10年間は責任とりなさいよ」という事です。これは業界に非常に大きな衝撃を与えました。

ただし10年間の瑕疵担保責任を負う範囲も同時に定められています。

  1. 構造耐力上主要な部分
  2. 雨水の侵入を防止する部分

なので、クロスの剥がれ、ドアの開きが悪くなったり、トイレが壊れたりなどなどは例外になるといえます。

簡単に言えば、「家が傾くなどした場合」と「雨漏りをした場合」は10年間は無料で直しなさいということです。このことから消費者にとっては、非常に安心できる体制になっていると思います。


10年何もなく過ごせた自宅が今後10年で急に構造耐力上の問題、もしくは雨漏りが発生する可能性がおおいにありますので是非参考にしてください!

少し話はそれますが住宅品質確保促進法の2つめの「住宅性能表示制度」についてもお話しておきましょう。なぜ、住宅の性能を表示することになったのかご存知でしょうか。

住宅生産者は、自社の商品や仕様をお客様に説明するとき、様々でばらばらな方法で行ってきました。
当然のことながら、自社の強みを強調できるような部分へ説明が集中するのはやむを得ないことです。
しかし、お客様の立場からすると、本当に自分が希望する住宅になっているのか、間違いのない選択をしたのだろうか、ということが分からないことになります。

そこで国土交通省では、住宅の性能を表示するのであれば、「こんな項目について、こんな方法で行えばよいのではないか?」という思案の元、新しい制度を作ったわけです。

ところで、この制度はあくまで任意です。お客様と、住宅生産者がよく話し合って採用を決めることになります。採用決定にあたり、事前に以下のメリットとデメリットもご覧ください。

住宅性能表示制度によるメリットとデメリット

メリット

  1. 住宅の性能を設計・施工段階で、第三者がチェックするので安心。
  2. 契約段階で、どのような性能のある住宅になるか明確になり、しかも、その性能を持った住宅の引渡が約束されます。
  3. 万一、トラブルが発生しても迅速に解決を図る裁判外紛争処理を利用できます。
  4. 新築時の性能が分かりますから、将来、中古住宅として売買するときときもスムーズ。

デメリット

等級を上げることにより、その分建築コストが上がる(住宅性能表示制度を受ける際にかかる費用の相場は10万円から20万円)。
住宅性能表示制度の評価対象となっている箇所は調査が行われますが、その他の箇所は保証されません。

万が一に備えて上記のことを知っておくことは必要といえるでしょう。

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