全八回のシリーズでお届けする【屋根の修理で押さえておきたい予備知識編】。本日は、最終回。屋根の「修理のタイミング」についてご紹介しましょう。
屋根の修理時に抑えたい!屋根の修理の”タイミング”について
屋根の修理をするにあたりあなたはまず何から考えますか。
最低でも下記の8つのことは基礎なので知っておいたほうがいいでしょう。
知らないことであなた自身に不利益が発生することもあるからです。
- 屋根の形
- 屋根材
- 劣化の症状
- 費用
- 工事
- 見積もり
- 業者
- 時期
今回は【屋根修理の”タイミング”】をピックアップして詳しくお話していきたいと思います。
屋根の修理やメンテナンスはいつがいいの?
さて、日本には四季があります。そして、この四季のうち、屋根の修理やメンテナンスに向いた季節があるということをご存知でしたか?春夏秋冬どの季節が屋根のお修理や、メンテナンスに向いているのでしょうか。
まず、屋根のお修理には足場が必要です。雨の日は危ないので梅雨の時期は避けた方がいいですね。また夏は台風が多いので工事がお休みになり、工事の期間も長くなります。
逆に、冬の時期は気温が低すぎて屋根工事の種類によっては行えないものもあります。さらに、すぐに日が暮れるため工事の1日の時間が短くなってしまう傾向にあります。そのため工事が長引いてしまうことも予想されます。
上記のことから梅雨の時期を避けた春、秋が適しているといえます。
実際この時期は、ご依頼が集中する傾向にありますので、秋にご依頼をいただいたとしても工事予定によっては実際に着工するのは冬になってしまうということもあります。
そのため、夏の間や冬の間、から事前にご依頼の準備を進めておくことが大切とも言えます。
屋根材別の耐用年数とメンテナンス時期
屋根材の寿命というのは「耐用年数」というもので表されます。耐用年数を最大限まで伸ばすには、定期的なメンテナンスを行う必要があるのです。
屋根の修理が「いつごろ必要になるのか」という事を知っておくと、お家のメンテナンスできちんと計画を立てられ、急に修理工事が必要になったときも慌てず対処できるようになります。
[屋根の種類別耐用年数]
- トタン屋根:10~20年
- ガルバリウム鋼板:30~35年
- スレート屋根:20~25年
- セメント瓦:30~40年
- 粘土瓦:50~100年
- 陶器瓦:50~100年
陶器瓦や粘土瓦の耐用年数は100年以上のものもありますが、瓦の下には「ルーフィング」と呼ばれる雨漏りを防止する防水シートが敷き詰められており、これは30年前後の耐用年数のため上記の限りといえません。
板金部位も重要
屋根でも雨水が集中する部位に板金が取り付けられており、雨が内側に入らないように、金属製の雨仕舞板金が用いられます。
実際に屋根の修理の理由として多い工事内容は、雨漏りで板金部材から発生したものになります。そのため屋根本体だけではなく、板金部位の定期的なメンテナンス計画も重要になります。
板金の種類は「谷樋(たにとい)板金」「棟板金」「雨押え板金」「軒先・ケラバ板金」などがありますが、現在、これらの板金はガルバリウムが使われています。
「棟板金」はサビで穴が空いたり、釘の保持力が低下したりすることで、風災による飛散リスクもあります。
雨漏りに関しては「谷樋板金」や「雨押え板金」などの板金部位から発生したものが多いのです。谷樋のある屋根で雨漏りしていたら、まず最初に谷樋を疑います。それほど雨漏りのリスクが高い場所なんです。
長持ちする板金部材とは?
現在もっとも流行しているのは「ステンレス」製の谷樋です。ステンレス製の谷樋は耐用年数が長く、耐水性・耐熱性・耐汚染性に優れています。
硬いので亀裂が入ることがありますが、なによりも【錆びにくく、汚れにくい】、そして【火に強い】というメリットがあり、ほかの素材と比べて圧倒的に長持ちします。
屋根のお修理、メンテナンスの前に、まずは屋根の素材ごとの寿命(耐用年数)なども把握してから
業者選びを進めておくとスムーズにいくでしょう。